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映画「ノルウェーの森」
久々の映画。1000円の日に見に行ったが客は少なく、大々的に宣伝している割にはヒットしていないのではないかと思った。映画を見に行った時点では原作は読んでいなかった。
感想であるが、何と言うか、良いとか悪いという以前に、不可解で物語の体をなしていないと思った。いろいろなエピソードに納得感がないことが多く、すごく舌足らずな感じである。特に後半は見るのがかなり苦痛になって、最後は全く意外にばっさりと終わってしまう。絵がところどころ美しく、監督の個性が感じられるが、あまり本論とは関係ないように思えた。
なぜ、こんなおかしなことになってしまったのだろう?原作が悪いのか、原作の映画化がそもそも難しいのか、映画化のやり方に問題があるのか・・・ということに興味がわいたので、原作を読んでみることにした(その感想は別途書くつもり)。
学生紛争のシーンが出てくるが、学生がゲバ棒持ってとか・・とてもステレオタイプな描写でがっかりする。そもそもフランスで勉強したベトナム人監督に学生紛争のイメージがあると思えない。監督が自分で納得できない絵なんて使わない方がいいんじゃなかろうか・・・
女優陣に力がないように見えた。特にヒロイン役は、私には魅力が全くわからなかった。主役が上手かどうかはよくわからないが、主役の雰囲気にはあっていたと思う。これはこの映画の中の救いだろう。
「おくりびと」を見る
テレビでおくりびとをやったので見た。地味に良い映画だと思った。これが大きな賞をとるようなものなのかはよくわからないし、行列して見に行くようなものでもないと思うし、万人が感動するようなものでもないと思う。
死という重くなったり・泣きが入りそうなテーマを選んでいるが、クールに描写することによって巧妙に浪花節的にならないように配慮されている。また、スタッフの意図は、死よりも生の賛歌であるように思える。死はいろいろな表情を持っているけれども、それはあまり本質的でないというか、重要ではなくて、様々な死の上に成り立っている生に意味があるのだと。生を象徴する行為として、「食べる」シーンが取り上げられる。
脇役が皆すばらしい。山崎努はひさびさの名演技だろう。役者の中では、この作品の一番の功労者だろう。余貴美子も素晴らしい。その他にも沢山の脇役の名演技がある。これだけ脇を固められれば、主役の本木はとてもやりやすかっただろう。広末は演技は微妙だと思ったけれど、まだオーラはあると思った。このまま10年後を迎えるとさすがにやばいかもしれないけど。
ほとんど展開が読めるような話ではあるのだが、作りが丁寧でいろいろと考えさせられる映画だ。しかし、この映画は日本人にとってはとても自然な、違和感のないものであるように思える。納棺士には我々馴染みがないけれども、そのやり方を初めて見ても、「すごい」と思うよりは、「うん。こうするかもしれない」というような感覚を持った。だから自然すぎて、あまり感動できないという人はいるのではなかろうか。外国人が見るとどう感じるかは想像ができない。