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「music」カテゴリーアーカイブ
ハーディングのブラームスSym3+4
“ブラームス:交響曲第3番&第4番” (ハーディング(ダニエル))
2001年の録音で、最近は安く買うことができるようだ。最近ブラームスをやる必要があったので、引っ張り出してきた。ピリオドの成果を室内オケに取り込んだ名演。とても繊細で美しい。これを聞いて、すっかりハーディングのファンになってしまった。このときは、きっとラトルのような指揮者になるのでは、と期待させたが、その後、あまり目立った録音は残していないように思う。先日、スウェーデン放送響との来日公演の巨人(初日の横須賀)を聞いたが、普通にとても良いのだが、あまり独自性やカリスマ性は感じられなかった。伸び悩んでいるのだろうか?
この録音のクラリネットは一聴の価値がある。両曲ともに大変素晴らしい。こういう演奏が、現代的な正しいクラリネットだと私は思う。ドイツ式とかフランス式とか感じさせない、インターナショナルで豊かな響きである。
ドイツ・カンマーフィルはその後P.ヤルヴィに指揮者が変わって、最近はベートーヴェンの交響曲全集を録音している。そのうちDVD買って見よう・・・
ラサール・カルテットのベートーヴェン後期弦楽四重奏曲集
“Late String Quartets” (Beethoven, Lasalle Quartet)
かなり安くなっていた(HMVで1450円・リンクはamazon)ので購入した。ラサール・カルテットは現代曲の演奏ではかなりリスペクトしているが、この演奏は・・・身も蓋もないというか・・・どうしたらこんなにつまらなくできるのか、というほどつまらない。ベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲は珠玉のような作品で(14・16が特に素晴らしいと思う)、人類の宝だと思うのだが、その感動を見事なまでにはぐらかす。ある意味シュールな演奏と言えるかもしれない・・・。高橋悠治のズレ演奏にも通じるかもしれない。興味本位に聴いてみるのはよいかもしれないが、まともに聴くと多分かなり失望する。
NTTにみる職場の音楽のあり方
以前、NTT東日本吹奏楽団の演奏会をレポートしたが、先日、NTTフィルハーモニー管弦楽団の演奏会に行ってきた。この2つは同じ会社を母体にしているのにも関わらず、ちょっと対照的だと思ったので、その感想を書いてみる。
と、書き出したのにも関わらず、まず共通した点から。観客動員数がすごい。吹奏楽団は芸劇で、オケはトリフォニーだったが、両方とも満員に近かった。言ってみれば、職場のサークルにすぎないこれらの団体が、アマチュア演奏家としてはうらやましい限りの動員能力を持っているのだ。それは会社自体が大きいということもあるだろうが、彼らの活動がアクティブで、影響力を持っている証明でもある。
対照的に思ったのは、演奏についてである。ざっくり言ってしまうと、
・吹奏楽団:個の力の弱さを全体でカバー
・オーケストラ:個は力があるが全体がやや雑
ということなのだ。まあ、練習量の違いはあるだろう。吹奏楽団は、コンクール全国大会上位入賞の常連だけあって、厳しい練習を積んでいるようで、整然としており、学生の手本になりそうな演奏だった。しかし、編成は職場の苦しい事情もありそうで偏っていた。オーボエはいないし、ラッパが多めだったり。個人の実力にもばらつきがありそうだったが、全体の力でカバーしていた。それはそれで感動的である。
一方、オーケストラの個人のレベルは結構高く、メンバーがそろっている。アマオケとしては、エキストラの数はあまり多くなく、ほぼ職場の人間で調達している。それでこれだけ揃うのはすごいことである(チャイコでハープのエキストラを最初に立たせた指揮者の見識はどうかと思うけど)。特に弦楽器がこれだけそろわない市民アマオケは多いだろう。しかし、全体として見てみると演奏はやや雑で、特にチャイコフスキーの出来は良くなかったと思う。強奏で音が潰れた感じになる。いろいろと事情はありそうだが、練習不足は否めなかっただろう。
ざくっと言ってしまったが、細かく見ればいろいろなことはあるのでそんなに単純ではない(吹奏楽団の打楽器は私はあまり好きではないがきっと上手な部類なのだろう。吹奏楽団のクラリネットはアンサンブル全国で金賞とるくらいだからかなりの実力・・・などなど)。
だから何?ってこともあまりないのだが・・・
アンコールを吹かなかった人は立たないのか?
今日、ある演奏会に行ってきたのだが、アンコールが終わった後に指揮者が立たせたときに、管楽器の中に立っていない人がいた。最初、具合が悪いのかと思って心配したら、そうではなくて、注意して見ると、アンコールを吹かなかった人が立っていなかったのだ(もちろん、その後指揮者は全員立たせたけど)。
自分は、このやり方が好みじゃない・・・と思った。というのは、舞台の上に乗っている人間は、たとえ一音も発さなかったとしても、一緒に音楽に参加しているメンバーだと思うからだ。彼らがそこにいたからこそ、音楽は成立したのだ。もし、そうじゃないと考えるのなら、舞台にいるべきではない。退場するか、一緒に立つか、二択だと思うのだ。自分は、舞台の上にいるということは、それくらい重要なことと思いたい。ソリストだけでアンコールしたのとは、違うのだから、全員立ったってかまわないと思うのだが。
自分は初めてみたのだが、一般的にはどうなのだろう。アンコールって全員参加で派手なのが多いから、こういうケースはあまりないのかな?。でも(アンコール定番の)カヴァレリアやって、管が立たなかったっていうのも見たことないし。
現在、休養中
最近、オーケストラ活動はお休みしている(アンサンブルはちょっとやったけど)。ずっと多数の演奏会をやるのに慣れてしまって、少し間があくと、それだけで何か少し落ち着かなくなってしまう。よくない傾向だ。
で、最近は、自分の活動を見直すべく、積極的に外部の演奏会を聞くようにしていた。最近、レビュー記事を書いていなかったが、少しずつupしていこうかと思う。ちょっと演奏会にも飽きてきた(このところ演奏会シーズンだったし。なぜアマオケの演奏会って、6月・11月に偏るんだろう。)。
Xenakisの弦楽四重奏
“Xenakis: Complete String Quartets” (Complete Strings Quartets;The Jack Quartet)
自分が購入したのは上のCDではなく、同じ演奏のDVDである。これを聞いて、Xenakisが素晴らしい作曲家であり、西洋近代音楽の正統なる継承者であると感じた。メシアンやシュトックハウゼンより自分にはしっくりくる。Xenakisの特徴は「暴力的」なことだと思う。荒っぽく、うるさい音楽を作れば暴力的になるかというと、そうでもない。Xenakisのの音楽には、他の作曲家にはない、激しさや厳しさが感じられる。それは人間の本質の一部であって、とても魅力的だと思う。
プロコフィエフ:交響曲全集
“プロコフィエフ:交響曲全集” (ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団, シュミット(アンドレアス))
N響アワーで先日7番をやっていて、クラリネット的にはこれはちょっと聞いた方がいいかなと思って、全集を探してみた。結局横浜タワーで売っていた中で一番安かった、この小澤・ベルリンの演奏を購入した。
演奏は全体にあまり良いとは思えない。クラリネットは多分ライスターじゃないし、オーボエもコッホとはとても思えない。二軍(?)の演奏なのか、単にリハ不足なのか・・・。全体の中では良く聞く5番等よりも、3番や4番等のややモダンな感じの曲のほうが良く感じた。1番はもっと軽く美しくやったほうが良いし、7番も改善の余地があるように思う。録音された当時はプロコフィエフの録音は少なかったので、これで良かったのかもしれない。しかし、現代の耳で聞くと微妙な感じだ。
フィストゥラーリの白鳥湖
“Tchaikovsky: Swan Lake [Highlights] [Australia]” (Tchaikovsky, Fistoulari, Concertgebouw Orch)
先日、戸塚市民オケの白鳥の湖を聞いてから、白鳥の湖にはまっている。手元にあったプレヴィン版があまり満足できなかったので、これを購入した。これは1961録音の古い演奏で、LP時代の名盤と呼ばれていたものだそうだ。オケはコンセルトヘボウ管である。古いが録音は結構良く、この時期としてはほぼベストと思われる。バランス良いし、個々の楽器の音もきれいにとれている。ただプレヴィン版に比べるとやや弦の厚みを薄く感じる。演奏は名演と言われたのは何となく納得できる。端正で美しい感じの演奏だ。それに比べるとプレヴィン版はアバウトな感じは否めない。しかし、管楽器奏者の観点からすると、オーボエ・クラリネットのオールドスタイルな軽い感じはがっかりする。ちなみにプレヴィン版もオーボエはあまり良いとは思えず、白鳥湖というオーボエの代表曲でどの演奏を聞けばいいんだ・・・という気分になる。
このCDはバレエからの抜粋版である。白鳥湖には組曲もあるが、感動のラストを欠いているというトンデモなもので、アマオケで演奏する場合は抜粋版のケースが多い。CD化も同じ悩みがある。このCDはLPになるときに1枚で収まるように選曲されたのだろう。第1幕の有名なワルツではリピートがカットされていてかなりがっかりする。バレエを全曲収録するとCD二枚となる。しかし、バレエを音楽だけ聞くと結構退屈な箇所もある。まあ、今はPCで音楽聞く時代だから全曲買って好きな曲だけ自分で抜粋して自分だけの抜粋版で聞くというのが正解かもしれない。