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ブーレーズの幻想(1967)

幻想のお勉強第2段。ブーレーズはクリーブランド管と幻想を録音しているが、かなり昔の1967年にロンドン響とも録音をしている。上のCDはベルリオーズの3枚組で1700円前後とお得になっている。

演奏はミュンシュとは対極で、冷静で一つ一つの響きを確かめるようにクールでモダンである。これが1967年録音なのは信じられない。この年はまさにミュンシュ+パリ管が録音した年であり、カラヤンの新しい版(1974)もまだである。最近の録音と言われても驚かない。とてもモダンな演奏である。演奏の質もとても高いし、録音も(SONYには珍しく)とても良い。ミュンシュが好きな人には薦めないが、もっと評価されても良い演奏だと思う。

クラリネットの観点では、1stは良いが、Es管がイマイチである(パリ管ライブと逆)。

ミュンシュの幻想(1967ライブ)

“ミュンシュ&パリ管/ドビュッシー:交響詩「海」 他 (Berlioz:Symphonie fantastique&Debussy:La Mer / Munch & Orchestre de Paris (14/11/1967)) [日本語解説付]” (ALTUS)

幻想をやることになりそうなので(2ndだけど)、家にあるCDを探したら、あまり良いのがなかったので調達することにした。これは、約2年前に発売されて話題になった、ミュンシュ+パリ管のライブ録音である。ミュンシュ+パリ管と言えば、EMIから有名な録音が出ている。パリ管設立直後の名演とされている。その少し後にミュンシュは急死してしまうため、パリ管とミュンシュの録音は少ない。上のライブ録音はそのEMIの録音と近い時期に行われたものである。

このライブはものすごい熱演である。指揮者が強烈にドライブする。テンポが急激に変動するが、オーケストラがかなりがんばって付いて行っている。崩れそうになりながらも、アンサンブルを維持している設立したてのパリ管は大したものである。ミュンシュのライブ録音は、フランス国立(放送?)管弦楽団との幻想を聞いたことがあるが、同じように強烈にドライブされて、オケが崩壊しており、あまり良い演奏ではなかった。

自分はあまりこういう熱演は好みではないのだが、この演奏についてはかなり気に入った。EMIの録音よりも良いと思った。演奏の熱さについては、好みがわかれそうだが、EMIの録音よりもこのライブのほうが録音は良いと思う。ライブ版は、ややデッドである欠点はあるが、結構クリアにとれている(しかし、宣伝文句ほどの名録音でないことは注意したほうが良い)。一方、EMI版は、一つ一つの楽器の音は良くとれているし、響きはある。しかし、全体の響きがクリアでなく、音がごちゃごちゃする感じである(EMI版は2007年の日本向けの24bitリマスタリング)。

クラリネットの観点からすると、Es管が良いと思った。一方、1stはオールド・スタイルという感じで、あまり魅力的とは思わなかった(これはEMI録音も同様である)。昔のパリ管は全体としては好きだが、クラリネットが好みではないのであまり聞こうと思わない。最近のパリ管はクラリネットは好きだが、全体(というか指揮者?)が好みではないので、やっぱりあまり聞こうと思わない・・・

次の出番:戸塚オケ サマーコンサート

ベト1の1stなどをやります。

戸塚区民オーケストラ 2011サマーコンサート

日時:2011年8月6日(土)13:30開場、14:00開演
場所:戸塚公会堂(戸塚地区センター3階、JR戸塚駅西口より徒歩約8分)
指揮:井﨑正浩(戸塚区民オーケストラ常任指揮者)
曲目:ベートーベン/交響曲第1番ハ長調作品21
   サンサーンス/歌劇「サムソンとデリラ」作品47より、バッカナール
   ボロディン/歌劇「イーゴリ公」より、ダッタン人の踊り ほか
入場無料 (全席自由) ただし入場には入場整理券が必要です。

オンライン予約は早くも終了しているみたいです・・・

これを見て来る人もほとんどいないとは思いますが、当日券をあてに来ても、入場整理券を持っているお客様を優先することになるので、ご注意ください。

音楽評価の難しさ:神奈川ギター新人ギタリストオーディション

自分は吹奏楽出身だから、コンクールやコンテストをかなり経験している。理不尽な判定で負けたこともあるし、逆に疑惑の判定で辛くも予選を抜けた経験もある。そんな自分が久々にそういう採点付きのイベントを聞いた。それは、神奈川ギター協会の新人ギタリストオーディションである。地元の杉田劇場が会場だったので、会場視察も兼ねて行ってみた。自分はギターに関してほとんど知識がないし、CDもほんの少ししか持っていない。 なので、自分の耳は全く信用にならないのであるが、自分の聞いた感じと審査の結果はかなり異なっていた。

結果は、ホームページにあるように、

入賞:松澤結子

入賞:原田斗生

入賞:佐波岳

入賞:田中春彦

入賞:西村拓也

であった。どうも、これがそのまま順位になっているらしい(ここ で松澤さんが一位ということ等から推測。正式には未確認)。ここからは私個人の勝手な感想を言ってみる。

まず、2位と推測される原田さん。彼は9歳だということである。小さい体に大きなギターでちゃんと演奏するので驚かされるのであるが、入賞に値する演奏とは私には思えなかった。確かにそれなりに音楽的に弾いているのではあるが、特に自由曲に舞曲的なリズム性がなく(ガボットとジーグだった)、ジーグでは6つの音が転びまくり、今後に期待なのかと思われた。

気の毒だったのは、入賞に漏れた島田賢さんだった。本選に残った7人の中で最下位という結果だったが、自分はそれほど悪くないと思った(4位くらいに予想)。おそらく自由曲の選曲ミスだろう。かなりモダンで意欲的な作品を選んでいたが、審査員にウケなかったのだろう。こういう曲を選ぶときは、よっぽど隙なくやらないと叩かれてしまう。

1位の松澤さんにも驚いた。ここによると、世界の名器を使っているのだそうだ。自分の耳がタコなのだろうが、ぱっと聴いてすごい良いと思うほど良い音は思わなかったし、演奏もあまり正確だとは思わなかった(予選より出来は良かったが)。しかし、会場では彼女が一位だろうという声も聞こえていたので、ちゃんとした人が聞けばそうだったのだろう。

自分の予想では、田中さん・佐波さんが1位を争うのではと思った。田中さんは本選で10代の若い人が多かった中で、一人大人の演奏をしていたと思う(と言っても20代だと思うが)。音も音楽も魅力的だった。素人が聞くと彼を評価しそうな気がする。

佐波さんは若手(見た目中学生?)だが、自分には彼が一番正確に弾いているように思えた。本選の課題曲のタレガのプレリュードNo1は、講評で審査員が難しかったと言っていたが、確かにそのとおりで、自分の聞いた感じでは、その(魅力的な)コード進行をきちんと弾けている人が(本選であるにも関わらず)ほとんどいなかった。そんな中で彼はかなり正確にやっていた。ただ、若干音楽に硬さがあるのが惜しいと思った。

最後の入賞の西村さんは、他の入賞者に比べると正確性が欠けるように感じられたし、特別な魅力も感じなかった。

この下に次点の若手がいたのだが(名前は忘れた)、彼の演奏はなかなかよかった。ただ、曲間をほとんど空けなかったり、結構大胆な感じの態度で、大丈夫かなーと思ったが、入選から漏れてしまった。表現が良いと思えるところもあったので惜しかった。

教訓と思えることは、現代曲をやるときは隙を見せちゃいけない、子供や障害者が相手のときは完膚なきまで叩きのめさないと負けてしまう、と言ったところだろうか。吹奏楽もギターも似たような世界だなと思った(吹奏楽の世界では20世紀以降の音楽をほとんど理解していない人が審査をしていることがふつーにある。ギターはそんなことはないだろうが・・・)。

ブロムシュテットのヒンデミット集

“Orchestral Works” (Hindemith, Sfs, Lgo, Blomstedt)

ヒンデミット大好き人間(好きな作曲家ベスト5に入る)である私の愛聴盤である。オケはサンフランシスコ響である。オケに力がないのではないかと思って、買わない人もいると思うが、この組み合わせは結構良い仕事をしていると思う。他にシベリウス交響曲全集がでているが、これも好演である。非常に録音が良いのが特徴である。バランスよく豊かな響きで録音されている。

一番好きなのは、「ウェーバーの主題による交響的変容」である。軽薄と言われようと、でもかっこいい。このモダンとクラシカルな感じが入り交じった独特な雰囲気がとてもよい。あの変態的なマーチがとても・・・。この曲には、アバド・ロンドン響の名演もあるが、この演奏も甲乙付けがたい(一方、アバド・ベルリンはイマイチである)。クラリネット的には3楽章の出だしにソロがあったりはするが、それほどおいしいという曲でもない。ヒンデミットはクラリネットに名曲を残していると思うが(ソナタ・五重奏)、オケ曲ではそれほど魅力的なソロを残していないような気がする。一度はやってみたいと思うが、アマチュアが簡単に取り組めそうな曲でもない(スコアを見るとシンプルでびっくりするが)。というより、選曲してもらえないだろう・・・

 

シェヘラザードのクラリネット→David Shifrin?

“シェエラザード*交響組曲” (クリーヴランド管弦楽団)

シェヘラザードネタで一つ思い出したので記録。(私の敬愛するクラリネット奏者である)David Shifrinが クリーブランドで主席をやっていたのは、よく知らないのだけど、あまり長い期間ではないはずなので、彼の吹いた(オケでの)ソロを見つけるのはなかなか難しい。上のCDはその一つではないかと睨んでいるものである。このどこか軟弱でマイペースな感じはきっと彼であるに違いない。でもかなり美しいクラリネットです。3楽章のスケールとかすごいですね・・・(まあ、クリーブランドのクラリネットはいつの時代もすごいのではありますが・・・)

シェヘラザードの全体の演奏としては、悪くはないが、あまり色気がなく、やや殺伐としたものになっている(テンポ早め)。

チョン・ミュンフンのシェヘラザード

“Scheherazade / Firebird Suite” (Dg Imports)

シェヘラザードを目的に購入。指揮者の明確な指針と、トレーニングされたオーケストラと、バランスのとれた録音と、三拍子そろった好演。シェヘラザードは名曲の割には、意外にあまり良い録音がないと思っていたので(ロストロは派手すぎ・カラヤンはやや雑?・ストコフスキーは録音と木管に難が・・・等等)、貴重だと思う。火の鳥は元々名演が多い曲なので、わざわざこれを聞くこともないとは思うが、これはこれでおもしろい。バランスよくまとまっている感じ。

チョン・ミュンフンは、「通な」人から見れば、深みがないとか言うのかもしれないが、このようなちゃんとした演奏を提供してくれるのは、(アマチュア演奏家な)我々にとってとてもありがたい。録音はいわゆる「作った音」という感じである。ライブが主流の最近の録音では、こういうものはほとんどないと思う。しかし、自分は(カラヤン時代から進歩を重ねた)こういう作った音がとても好きなのである。

 

ヤルヴィのベト1

“ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」&第1番” (ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン ヤルヴィ(パーヴォ))

割と新しい録音(2006)。ピリオドの成果を利用した最近流行りの感じの演奏。ティンパニ・ラッパはオリジナル楽器であるが、その他はモダン楽器である。テンポは小気味良く、サクサク進む。重みのある演奏を好む人には向かないが、こういう演奏が最近の主流だろう。2曲の中では1番のほうが良いように思えた。5番は今ひとつ新鮮な感じはしなかった。クラリネットは、ハーディングのブラームス ほどは魅力的ではない。多分同じ人だとは思うが、おそらく楽譜指定通りにC管で吹いているのであろう。C管ではどうしても音が明るすぎてしまう。曲想に合うということなのだろうが、自分はどうもC管の音は苦手である。オリジナル重視の考え方には学ぶべきものがあるが、自分はB管でモダンに吹くほうが好みである。録音はまあまあだがあまり良いとも思わなかった(SACDでは聞いていない)。最近のライブ録音を良いと思うことは自分には少ない。

戸塚オケ定演修了

無事に終了しました。来ていただいた皆様ありがとうございました。

個人的な反省としては、リードがイマイチあってなくて音が抜ける感じになってました。もうちょっとがんばって(選んで)もよかったかもしれない・・・。悲劇的の最後のソロ(ソリ)はさすがに慎重に行き過ぎたかもしれなかった。さりげなく、すっと入るつもりだったけれども、微妙な感じになってしまった。上のBの音はイマイチあたらないし・・・。まあでも大過なく終わったのでとりあえず良しとするか・・・(妥協しちゃいけないけど)

次回出番:戸塚区民オーケストラ定演

戸塚オケでのデビュー戦になります。悲劇的と大祝の1stを吹きます。

戸塚区民オーケストラ第23回定期演奏会

日時:2011年(平成23年)2月20日(日)13:30開場、14:00開演

会場:鎌倉芸術館大ホール(JR大船駅より徒歩約10分)

入場料:1000円

指揮:井﨑正浩(戸塚区民オーケストラ常任指揮者)

曲目:~オール・ブラームス・プログラム~

交響曲第3番ヘ長調 作品90

悲劇的序曲 作品81

大学祝典序曲 作品80

戸塚区民オーケストラ

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