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音楽演奏における老化とは?

先日の急ぐ・・・というエントリに関連して思い出したことだが・・・
自分はもう40を過ぎてしまったが、若いときには40になるなんて想像もできなかった。年を取ったらどうなるんだろうと心配していた。きっと楽器が吹けなくなるんじゃないか・・・。私もそう思っていて、多くの人達もそう多分考えるのではないか・・・ということは、年を取ると、指が回らなくなる or 音がきれいに出せなくなる・・・という感じではないだろうか。特にテクニックが衰えるのではと心配になる。
しかし、自分がこれまで様々な団体に所属して、周りを観察して&同僚と話して思ったのは、老化というのは、意外とテクニックの衰えからは来ない。老化はどこから最初に来るかというと、テンポやリズムの乱れなのである。特に急ぎがちになることが多い。協調性を保って、演奏することができなくなる。音もテクニックも比較的ちゃんとしてても、崩れていくのである。当人には自覚はあまりない。これは結構怖いことだ。推測だが、老化というのは肉体的なものよりも、脳が最初にやられるのではないかと思う。
先日書いたように、自分は急ぐことに自分自身が気づかなくなってきている。これは老化現象の現れであり、やばい。でも、プロってあまりそうはならないみたいだから、何かコツがあるのかしら。

ロビーコンサートの時間

ロビーコンサートの開始時間ですが、13時25分になりました。早めですので、お気を付けくださいませ・・・。
クラリネットデュオ
フルートトリオ
トリオ・ダンシュ
の3つの予定です。

メイエの名演:ショーソン「アンダンテとアレグロ」

 /Paul Meyer French Clarinet Art Le Sage(P) /Paul Meyer French Clarinet Art Le Sage(P)
販売元:HMVジャパン
HMVジャパンで詳細を確認する

ポール・メイエなんて、ルックス重視の日本では人気があるが、実力はたいしたことない・・・とか言う人もいるかもしれないが、自分は優れた奏者だと思っている。初来日を聴きに行ったときは、かなりがっかりだった。何でこんなにパワーに頼るのだろうと思った。彼は結構大胆な思い切った演奏をする。何というか、汚すことを恐れない。これは日本人的なきれいにまとめようとする文化には馴染まない。このようにアクの強さを感じさせることもあるが、彼の良いところはきっちり曲によって吹き分けられるところだと思う。先日の来日時の武満もすばらしかったし、衛星で見たベルクやプーランクもよかった。モーツァルトの録音も意外に悪くない。そんなメイエの名演を選ぶのは難しいが、フランス曲集のショーソンを挙げる。この曲はあまり演奏される機会は多くないが、かっこよい曲だ。それを素晴らしく華麗に演奏している。やはり彼にはフランス物がよく似合う。

職場の吹奏楽は終わったのか?ーNTT東日本東京

ちょっと報告が遅れたが、以下の演奏会に行ってきた。吹奏楽を聴くのは10年ぶりくらいかもしれない。
NTT東日本東京吹奏楽団 第42回定期演奏会
曲目は「終了いたしました」のリンクで見られる。課題曲2曲・天野正道、等、メインはサックス協奏曲だった。非常にちゃんとした演奏で、少なからず会場で見かけた学生達にはきっと勉強になったであろう。職場でこれだけのことができるのは素晴らしい。全国大会の常連で、金賞も取れる実力は伊達ではない。
吹奏楽コンクールは今年から、職場と一般の垣根が取り払われると聞く。東京都のハイレベルな一般の中で、NTTが都大会を通過できるかは微妙だ。東京都の一般団体の物量作戦のような、ドラッグでドーピングをしているかのような演奏(最近は知らないけど)に、正攻法のNTTが通用するだろうか。職場と一般の混合は、毎年同じようなメンツが並ぶ全国大会の職場団体へのいじめなのだろうか?しかし、職場の吹奏楽を考えてみると、それはもう終わっているのではないかという気もする。会社での飲み会やレク活動、スポーツ活動(最近はチームではなく個人を支援する傾向にある)が低調になる中で、音楽活動とて例外ではないだろう。また、非正規社員化が進む現状も職場の吹奏楽にとってはマイナスだ。
NTT東日本東京吹奏楽団は特別な存在だ。NTT東日本とは言うものの、NTTグループのメンバーは入団することができる。NTTグループと言ったら、NTTドコモもNTTデータも、NTT西日本(東京にも事務所はある)ですらメンバーになれるのだから、その母体の規模たるや圧倒的であろう。他の職場は、NEC「玉川」にしても、東芝「府中」にしてもローカルな団体だ(本当のところどうなのかは知らない。別ロケの人も混じってるかも)。ロケにまたがるグループ会社の力を結集することができるNTTの組織力はすごいと言えるが、他の職場団体にとっては、対等に勝負するのを勘弁して欲しいという気にもなるかもしれない。
そう考えてみると、職場と一般の垣根は、もはや意味をなさなくなっていると思う。極端な話、全国大会に出たいのならば、一般団体に入ってください・・・ということになろう。入るのは自由なのだから。職場としての活動を否定はしないが、時代は企業の垣根を越えたところでの音楽活動が主流になるであろう。

ロビーコンサート

次回演奏会の開始前にロビーでちょっとした演奏をやる予定です(そろそろ公表してもよいだろう・・・)。自分の出番は2曲、
プーランク「2つのクラリネットのためのソナタ」(クラリネット×2)
イベール「5つの小品」(オーボエ・クラリネット・ファゴット)
です。両方ともそれなりに難しい曲ですが、がんばってやりたいと思います。開始時間はおそらく1時半になります(→これは1時25分になりました!お間違えなく)(1時15分開場)。よろしくお願いします。

録音の重要性

CDレビューをいくつか出しているけれども、自分のお気に入りCD選択基準として「録音」は結構大きなウェイトを占める。例えば、以前挙げたアバドのCDもその傾向がある。自分は、録音は普通に世の中に考えられているよりも、ずっと重要なものであると考える。録音というか、マスタリング一つで演奏の印象はがらっと変わってしまう。LP時代に名演と思っていたものがCD化されてがっかりしたり、またその逆にCD化されて魅力を発見するものもある。同じレコーディングが違う版(マスタリング)でCD化されるときに、それがかなり違う音であることがある。日本版とヨーロッパ版で音が違うことは良くあるし、廉価版で音が劣化するときもある(逆に廉価版で良くなることもある)。しかし、例えば、日本版とヨーロッパ版では一般に日本版のほうがよい・・・というような一般的な規則があれば良いのだが、それがどうもないらしい。ある演奏は日本版、ある演奏はヨーロッパ版等と規則性がなく、買うほうは頭が痛い。劣った版で聴いてしまうと、それは良い演奏ではないと切り捨ててしまうことがあるのでもったいない。また、新しい録音だからといって優れているとは限らない。古い録音でも優れた録音はある。これは結構不思議なことだ。技術の進化とは無関係ではないが、意外と相関は低い。例えば、CDの出始めは悪い録音が結構あったと言われる。技術を使いこなせていないからだろう。ハイテク=好録音ではない。
というように録音を重視する自分だから、必然的に古いプレーヤーを低評価してしまうことがある。代表的なのは指揮者で、例えば、トスカニーニはほとんどちゃんとした状態の録音を残していないと思うので、大変残念だ。フルトヴェングラーも録音状態が良いスタジオ録音だと、妙に迫力がなかったりして残念に思うときがある。クラリネットも古い録音(1950年代以前)で良いものを見つけるのは難しい。歴史的な録音はある。古い演奏で自分が評価するものとしては、例えば、レジナルド・ケルの録音がある。しかし、今の録音技術でケルをとったら、もう少し柔らかい音になったのではないかと推測する。残念である。

次回の出番(第615回横響定期演奏会)

横浜交響楽団 第615回定期演奏会
【横浜開港150周年】
日時:2009年6月21日(日)  午後2時
場所:神奈川県立音楽堂
1. 横浜市歌(合唱付) 曲:南 能衛/詩:森 林太郎
2. 組詩曲「横浜1947年」 小船幸次郎
3. 歌劇「黒船」序景 山田 耕作
4. 歌劇「カルメン」より ビゼー
次回の出番は、横浜市歌と黒船のバスクラと、カルメンの1stの予定です。うん、カルメンはまた解説ネタができそうだ。また、本番前にちょっとしたサプライズをやろうと思っていますので、ご期待くださいませ・・・(って期待する人いないか・・・)

20世紀音楽のバイブル:ラサールQ

新ウィーン楽派の弦楽四重奏曲集(4枚組) Music 新ウィーン楽派の弦楽四重奏曲集(4枚組)

販売元:Brilliant Classics
発売日:2009/02/10
Amazon.co.jpで詳細を確認する

20世紀音楽のバイブルとも言える、ラサール弦楽四重奏団の新ウィーン楽派の四重奏曲集が廉価版となって発売された。リンクはamazonだが、自分はHMVで割引で2000円以下で入手した。4枚組でこの値段で買えるとは良い世の中になったものだ。聴いてみたが、今の耳で聞いても全く古さを感じさせない。偉大な演奏だ。バランス・技術・・・完璧なアンサンブルとはこういうものを言うのだろう。特にシェーンベルクが素晴らしいと思う。シェーンベルクのカルテットは、最近、録音や演奏会で見かけることは少ないと思う。しかし、2番は(歌が入るという変則的な曲だが)大変な傑作だと思うし、1番も後期ロマン派的な薫りの高い、とは言ってもマーラー等とは一味違った、濃い独特の世界だ。
このCDだが、廉価版にありがちな音の雑さはなく、優秀なマスタリングだと思う。後継者たちが、凌駕しようという意欲を失わせるような決定版と言えるだろう。現在、販売されていないツェムリンスキーの全集のCD化も望まれるところだ。

フーガの技法 by ミュンヒンガー

バッハ:フーガの技法、他 Music バッハ:フーガの技法、他

アーティスト:ミュンヒンガー(カール)
販売元:ユニバーサル ミュージック クラシック
発売日:2007/10/24
Amazon.co.jpで詳細を確認する

自分が購入したのは輸入盤で1600円くらいだった(2枚組)。レビューで割とほめられてて高くないし、試しに買ってみた。弦楽合奏によるものだ。
一聴して・・・古っ・・・。録音が古いのではない。解釈が古いのだ。今どきこんなロマンチックなバッハは聴けない。ストコフスキーかよ・・・とか突っ込みたくなった。はずしてしまった・・・ヤフオク出すか。フーガの技法は名曲だと思うので、何か良い演奏がないかと思っているのだが・・・。

カラヤンによる新ウィーン楽派

昨日紹介した、カラヤンによる新ウィーン楽派管弦楽曲集だが、一通り聴くことができた。この録音をカラヤン最高のものという人もいる。私の感想だが、シェーンベルクは総じて名演であったが、ベルクとウェーベルンはあまり評価できない。何か、時代がかっているというか、身振りが大げさなのだ。まるで、フルトヴェングラーのベートーヴェンを聞かされているみたいだ。今となっては古い演奏だ。我々はブーレーズ等によるスリムで整理されたウェーベルンやベルクを知ってしまっている。カラヤンにとっては、「現代」音楽だったんだろう。しかし、我々からすれば、これらは前世紀の古典音楽だ。シェーンベルクが成功しているのは、その演奏スタイルと曲がマッチしているからかもしれない。

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