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第614回定演:フォーレ「ペレアスとメリザンド」前奏曲より(2)

前奏曲のラストはクラリネットに重大な役割が与えられている。
Pelleas2

最後に冒頭の主題が再現される直前、このソロがある。この箇所の最大の問題点は、普通の人では一息で吹ききれないことだ。自分は3枚のCDを持っているが、それぞれ以下のような解決をしている。
解決1)(多分)二人で吹く(スイスロマンド)
解決2)6小節目のGとEの間で息をとる(ボストン)
解決3)7小節目のGとFの間で息をとる(フィラデルフィア)
解決1はよほど二人の音色がそろっていないと難しい。解決2・3はcresc.の頂点で息をとることになるので、自分には選択しづらかった。自分がとった解決法は、
解決4)6・7小節目の境で息をとる(私)
だった。その分ちょっとcresc.を遅らせた。cresc.の途中で息をとると目立つからである。曲を知っている人はがっかりかもしれないが、自分はこういうときは割り切ってがっちり息をとってしまったほうがよいと考える。自分の演奏はどうだったか。まず3小節目の出だしをミスった・・・(録音に残らないかと思ったけど甘かった)こんなミスは練習ではなかったのに・・・本番は怖い・・・。ブレスはそれほど不自然ではないと思うがどうだろうか。今回はちょっと音が暗めだったかな・・・。

第614回定演:フォーレ「ペレアスとメリザンド」前奏曲より

さて、それでは前回演奏会を楽譜とともに振り返ってみよう。
Pelleas1

この曲で重要なソロを3つほど取り上げてみたい。まず第一回は前奏曲より、冒頭の主題の再現だ。この主題は大変に美しい。この主題のポイントは最後のE-D-Eの動きだろう。ここを如何に上手くやるかが勝負の分かれ目だ。さて自分の演奏はどうだろう・・・うーん・・・何かひ弱になってる・・・これをセンス良くやるのは容易ではない・・・その前もちょっとしみじみした感じじゃないし・・・音程もちょっと違うし・・・音もあまり良くないし・・・改めてちゃんと聴き直すと反省点ばかりが・・・

マイヤー vs. フックス

 ニールセン/Flute Concerto  Clarinet Concerto  Wind Quintet: Pahud(Fl) S.meyer(Cl) Rattle / Bpo Baborak(Hr ニールセン/Flute Concerto Clarinet Concerto Wind Quintet: Pahud(Fl) S.meyer(Cl) Rattle / Bpo Baborak(Hr
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ベルリン・フィル因縁の対決?・・・とは言っても、別に直接対決ではない。
ザビーネ・マイヤーは若い頃にベルリン・フィルとトラブルを起こして(というか受け入れられなくて)、入団できなかった・・・という話は有名だ。しかし、今はこんなCDがある。マイヤーがソロを吹き、ベルリン・フィルが伴奏する。加えて、パユらベルリン・フィルの木管トップメンバーと木管五重奏までやっちゃう。ベルリン・フィルはマイヤーを受け入れられるようになったのだろうか?しかし、こうなると、主席であるフックスくんの立場がないではないか・・・。フックスはベルリン・フィルと協奏曲入れてたかな?・・・思いつかない。自分は、マイヤーの実力は認めるところだが、何となく話題作りを狙ったCDにも思える。演奏は普通に良いです。

クラリネットにおける管の選択について

オーケストラでクラリネットを吹く場合、B管・A管の二本は必須だ。場合によってはC管も必要になることがある。楽譜には(当然)どれかの調で書かれている。しかし、どの管を使うべきかというのは、必ずしも楽譜に書かれている通りである必要はなく、奏者に判断が委ねられていると考えることもできる。この問題について、(アマ・プロ関係なく)クラリネット奏者の考え方として、概ね以下の3つがある。
1.楽譜至上主義者
楽譜の指示を絶対とする考え方である。楽譜の指示通りの管で吹く。
2.結果至上主義者
楽譜の指示よりも、どの管で吹くのが、一番良い結果が得られるかを優先する考え方である。
3.その中間
曲に応じて、柔軟に選択を行う考え方である。
例えば、以前録音をupしたタコ5の3楽章のソロはA管で楽譜の指示がある。しかし、実はあのソロはB管で吹く方が吹きやすい。楽譜至上主義者ならA管で吹くが、結果至上主義者ならB管で吹くかもしれない。不滅の2楽章は、A管・B管別の指示だが、結果至上主義者ならどちらかに揃えるかもしれない。
特に選択に迷うのは、in Cの指示である。最近はC管を持っている人も多いが、C管はあまりメジャーな存在とはいえず、大体普通の人はそこまで買うお金の余裕がないだろう。
さて、自分の(狭い)経験では、プロに話を聞くと、2.に近い立場を取る人が多いように感じる。おそらく合理的に考えるのだろう。
で、私はというと、1.に近い3.というところだろうか。基本結構いい加減である。タコ5のソロは、A管のほうが、暗いイメージに近いのではないかと思い、A管を選択した。
in Cの指示は、自分は基本B管で吹く。それはC管で吹いて欲しいという指示で、A管とB管では、B管のほうが音が明るくC管に近いと思うからだ。例えば、ブラ4の3楽章はin Cの指定だが、これをどっちを選ぶかは迷う。3楽章以外は全てA管だから、B管で吹くとそのためだけに2本楽器を使わなければならない。しかも、4楽章はアタッカだから持ち替える時間がない。自分はB管で吹き、4楽章の冒頭だけB管で吹いて、休みでA管に持ち替えている。
あと、実はin Cの楽譜を、A管へ読み替えできないという情けない事情もある。例えば、モルダウの冒頭はin Cだが、本当はB管よりはA管で吹いた方が吹きやすいだろう。
大抵のin Cの指示は、B管で吹いてかまわないと思っている。例えば、第九の2楽章はin Cだが、C管を使うまでもないと考える。しかし、どうしてもC管が必要と思うケースもある。その代表はマーラーだ。巨人や第四のin Cの指示は明らかに、C管の華やかな音色を要求している。そういう時は楽器を借りてくるしかない。
C管を持っていても、2ndを吹いてくれる人も一緒にC管でなければ意味がないと思うから、あまり買おうという気にはなかなかなれない。
これからも悩むことが多いかもしれないが、これもオケのクラリネット吹きの楽しみの一つと言うことができるだろう。

JAO宮崎大会:ニールセン「不滅」第二楽章再現部

こちらはB管だ。この頃は大分落ち着いてきて演奏することができていて、押す感じも少なくなっている。Fisの音を使わなければいけないところで、若干音が開く感じがある。また音の輪郭が若干A管よりもはっきりしているような気がする。
両者の比較では、出来は落ち着いている再現部のほうがマシなものの、ややA管のほうが音が落ち着いている感じがするがどうだろう。やはり管による音の差というのはあると思う。それでは、管の選び方についてどういうポリシーを持つべきかという論になるが、ちょっと長くなりそうなので続きは明日とする。

JAO宮崎大会:ニールセン「不滅」第二楽章冒頭

2006年の全国アマチュアオーケストラフェスティバル宮崎大会の自分の演奏だ。この演奏を取り上げたのには訳がある。先日の楽器違いの音色比較が少しおもしろかったので(自己満足だが)、その続編をやってみようということなのだ。それはオケのクラリネット吹きなら、誰もが興味があり、苦労もする、A管とB管の差だ。
不滅の第二楽章では、全く「同じ音」のパッセージをその冒頭と再現部で、A管とB管で吹き分けなければならない。「同じ」音だから、吹く方は半音ずれるわけだ。半音ずれたパッセージを吹かされるほうはたまらない(その苦労はきっと参加者には分かってもらえなかったと思う。ファゴットは同じ音だからずるい・・・)。その意図は、自分にはイマイチわからないのだが(持ち替えはきついというほどではないので、同じ管で吹こうと思えば吹けないことはない)、それを聞き比べてみよう。
まずは、冒頭。これはA管で吹かれている。この入りというのは、第一楽章の騒々しさが段々と引いていって、完全に静かになった状況で入らなければならず、相当な緊張が要求される箇所だ。寿命が縮む。正直このときはA管がさっぱり鳴らなくてフラストレーションがたまっている状態での演奏だった(本番前にえらい待たされたのだ)。無理に鳴らそうとして押しているのがわかる。(実音の)AやAsがやや低くなっている。かなりあげる努力はしたが、セルマーの楽器の癖だと思う(カルボナーレも低かったから)。最後の方は息が足りなくなっていて、十分に音が鳴っていない。A管のほうが若干息は余計に使うと思う。
B管はまた明日・・・

Prestige vs. Signature

過去演奏を2つほど公開したが、この2つで使われている楽器は違う。
フィンガル → Crampon Prestige

タコ5 → Selmer Signature

Prestige→Signatureに変えた。古いPrestigeは売ってしまった。さて、上記演奏でその違いはわかるだろうか。Prestigeのほうが若干音が明るいというか、少し音が抜けている感じがある。また、音の移動に若干のニュアンスがある。Prestigeのほうが、何というか、音作りの自由度が高いのだ。Signatureに変えたばっかりのころは、えらく苦しくて、ちょっと失敗したかなと思ったけれども、しばらくしたら慣れてしまった。Signatureのほうが、暗いまとまった音は出しやすい。音程も安定する。
JAOに行ったときには、セルマー使いだと言うと驚かれたものだ。自分はセルマー吹きにしては、軽い吹き方なのだそうだ。セルマー吹きには(レシタルのような)重い楽器を無理矢理鳴らすというイメージがあるのかもしれない。まあでも、上記二つも大差ないとも言える。結局、音は人の要素が一番大きいのだ。

第543回定演:メンデルスゾーン 序曲「フィンガルの洞窟」より

私が最初にクラリネットが美しいと思ったのは、このフレーズだ。典型的な三度を中心に動く二重奏で、曲が終結に向ける手前に据えられていて、大変印象的だ。メンデルスゾーンの曲には、これに限らず、クラリネットが重要な役割を果たしているものが多い。スコットランド・イタリア・真夏・・・。皆クラリネットはすばらしい(でもちょっと大変だ)。この曲を演奏することができたのは大変にラッキーだった。2ndの支えもあって、そこそこ満足できる出来になった。2000年だからもう9年も前のことになる。
ネタがなくなると過去演奏公開します・・・

バスクラリネットの先生捕まる

ちょっと洒落になってないけど・・・
リンク: FNNニュース: クラリネットの教え子….
そんな人には見えなかったんだけどな。

第593回定演:ショスタコービッチ「交響曲第5番」第1楽章より

過去の演奏(ソロ部分)を時々upします。podcastで配信できるようになりました(Nifty時代の話。現在はpodcastはなし)。そのテストを兼ねています。2年半前のタコ5の第1楽章のソロ。

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