ホーム » clarinet (ページ 5)

clarinet」カテゴリーアーカイブ

バルトーク 「5つのハンガリースケッチ」より 村での夕べ

この曲はクラリネットで開始される。全くの無音状態から出るのは度胸はいるが、クラリネットは弱音には強いから、こういうソロは比較的得意である。最初に入るのは一人だけなので、出だしのタイミングは多少自由はある。
さて、自分の演奏だが、出だしはだいたい良かったと思うが、まったりしすぎた感じだ。自分の後の人たちがちょっと出にくそうな感じだった。もう少しさくっと爽やかにやってもよかったかもしれない。

演奏事故の反省

先日の演奏会のバルトークのラストが空中分解した、という話をしたけれども、それがどのようにしておこったのか検証してみたいと思う。失敗を反省することは大事である。録音をupするときは原則自分以外の演奏を入れないようにしているのだけれども、ちょっと失礼させていただいてやや長めに入れている。時系列に起こった事件を記録してみる。
0:00 Hrがritして次に受け渡す(ここまではOK)
0:02 Solo Vnが拍節感のない不可思議な動きをする→ここで自分はテンポがわからなくなった
0:06 Piccソロ→よく入ったと思う。自分の中のテンポで入ったのだと思われる。
0:08 Clソロ(私)→指揮とはずれている感じなのだが、何とか巻き返そうとする。しかし、その結果細かい音で急いでいるのがわかる。
0:15 再びPiccソロ→この辺で少し安定しつつある
0:24 Vnの次にOb→これは多分正しい
0:29 木管の16音符の出だしの指示を指揮者が間違える。聴いた感じだと1拍早いようだ。
→ここでCl(私)は指揮者の指示に従って出てしまう。
→Flは完全に落ちる。
→Piccはかろうじて入ることができて何とか曲はとまらなかった。
まあ、指揮者が振り間違えたのが悪かったという単純な話なのかもしれないが、一つ、検証されなければならない点として、
・私は指揮に従うべきだったのか?楽譜に従うべきだったのか?
ということがある。指揮者とはいえ絶対ではないから、事故は起こりうる。全体で演奏する場合にこのような事故に対応するのは、コンマスだろう。しかし、ここは極めて楽器の薄いところであるから、その原則は通用しにくい。
言い訳になるが、あの状況で指揮を無視するのは極めて難しい。指揮者の指示に反射的に出てしまったというのが本音だ。すいません。しかし、あそこで出なかったら完全に音が消えた可能性がある。パニックになりながらも音がとぎれなかったことはラッキーで(とぎれるととぎれないでは大分印象は違う)、許していただきたい。
しかし、そもそもの原因を考えると、0:02の時点で拍節感が完全に失われ、オーケストラ全体のコントロールが失われたことにあると私は思う。せめて弾かないでくれたらここまでパニックにはならなかっただろう。うちの指揮者はこういうシチュエーションで奏者にあわせようとする(世にはそうでない人もいっぱいいる)ので、基準がわからなくなってしまうのだ。

指揮者の表面的なミスを責めるのではなく、本質的な原因を追及すべきと思う。

アーノルドの木管アンサンブル集

 Arnold: Chamber Music for Winds Arnold: Chamber Music for Winds
販売元: iTunes Store(Japan)
iTunes Store(Japan)で詳細を確認する

Naxosからアーノルドの木管アンサンブル集が出ていたので入手した。木管五重奏のようにメジャーな編成のものもあるが、Fl+Ob+Clのように珍しい編成のものもあるので結構役に立ちそうだ。クラリネットソロのFantasyは楽譜を入手したが、ちょっと練習曲風ではあるが、派手目で使えそうな曲である。演奏は悪くない。

ロシアの前衛:デニゾフ

Edison Denisov: Ode / Clarinet Quintet / Clarinet Concerto Music Edison Denisov: Ode / Clarinet Quintet / Clarinet Concerto

販売元:Col Legno
発売日:2008/05/06
Amazon.co.jpで詳細を確認する

デニゾフはショスタコーヴィチの弟子なのだそうだ。彼のクラリネット作品集がブルンナーの演奏で出ていたので入手した。五重奏・協奏曲・三重奏(ピアノ・打楽器)の三曲である。結構バリバリな前衛という感じだ。ソ連崩壊直前に書かれた2曲(1987・1989)はともかく、1968年に書かれた曲については、共産党による批判はなかったのだろうか・・・。自分は、現代ソ連・ロシアの作曲家(グバイドゥーリナ・シュニトケ・ペルト・・・)はあまり好みではないが、デニゾフは割と好みだ。可能なら楽譜を入手してみたい。三重奏が一番おもしろいと思った。ブルンナーはうまい。

ミックス音

自分が(今は亡き)高校の恩師に今でも感謝していることは、「ミックス音」の重要性を叩き込まれたことにある。管楽器の一番の長所はミックス音なんだと(仙台弁で)力説された。それは、複数の種類の楽器が組み合わさることによって、違う色の音が出る、それが美しいということである。
これはどこに行っても非常に役に立った。吹奏楽では勿論、オーケストラでも使うことができた。クラリネットは、オーケストラの中では響きの「糊(のり)」のような存在なので、ミックス音は重要だ。
イメージとしては、楽器の組み合わせによる音のパレットを持っているという感じである。自分の場合、イメージができる組み合わせは、Cl-Fg、Cl-Fl、Cl-Ob、Cl-Hr、Cl-Fl-Fg、Cl-Ob-Fg、Cl-Fl-Ob-Fg、Cl-Vnくらいであろうか。オーケストラの中でその組み合わせが発生したら、淡々とカードを切るようにミックス音を作る。ポイントは多分最適なバランスだろう。音が厳密に合う必要はそれほどない。
こういうイメージを持っている人と一緒に吹くのは楽しい。一方、結構吹ける人でもこのようなイメージを持っていない人もいる。それは非常にもったいないことだ。

Filed vs. Unfiled

リコーのリード(Evolution)を使い始めたという話はしたが、これには2つの種類がある。それは、FiledとUnfiledである。この違いは、リードの肩(削り始めのところ)のところの表皮を削る(Filed)か、残すか(Unfiled)というところにある。トラッドなバンドーレンのリードはFiledで、ルピック56(野中のHPにはドイツ的と書いてあるが自分にはよくわからない)はUnfiledである。
リコーの特徴は、同じEvolutionというカットのリードで、FiledとUnfiledを選べることである。自分はこれまで、Filedを使っていたが、Unfiledを試してみた。
一箱吹いただけで結論を出すのはちょっと乱暴だが、自分にはUnfiledの長所がよくわからなかった。吹いた感じは結構違う。音が若干固くなるような気がする。少し詰まって発音がしにくい感じだろうか。吹けるリードの確率はFiledとはそれほど違わない。
うーん・・・見た目イメージ的にはFiledのほうが音がソフトになりそうなんだけど、その逆だった。
明日は本番だけど、FiledかUnfiledかで迷っている。当日の調子で決めよう。

第615回定演:ビゼー「カルメン組曲」アルカラの竜騎兵より

アルカラはファゴットの曲だと言えるだろうが、またもや冒頭のメロディをクラリネットが再現する。この演奏では、ちょっと発音が甘くなったように思う。特に最初のほうがはっきりしない。
このソロには、管の選択問題がある。楽譜ではB管で書かれているが、B管だとトリルの指(fis-gis)がちょっとやりにくい。昔、初めてやったときに、どうしようと悩んでいたら、「これは普通A管で吹くんだよ」とオケの先輩が教えてくれた。今回もA管でやった。楽譜を写すのが面倒だったので、読み替えで吹いたけれども、練習で何度も間違った(情けない)・・・本番は間違えなかった。

第615回定演:ビゼー「カルメン組曲」間奏曲より

カルメン組曲は管楽器の出番は多いが、クラリネットにもそれなりに活躍の場は与えられている。間奏曲はフルートの曲と言えるだろうが、クラリネットは冒頭のフルートのテーマを受け継いで、フルートと美しい二重奏を奏でる。
さて、この曲をやるのは吹奏楽も含めると、4回目になる。2回目の録音が残っていて、それと比較してみたが、今回のほうが、荒め・ややダイナミック、前回は、丁寧・ドライという感じだった。あまり年輪を重ねたという感じの演奏ではないのは残念だ。
このフレーズのブレスについて。このソロは休符がちゃんと途中に入っていて、そこで息をとればもつように出来ている。しかし、リードが厚めになるとこれが間に合わなくなる。また、クレッシェンドを早くしすぎても息が足りなくなる。そうすると頂点近くでブレスをとることになってみっともない。きちんとしたブレスコントロールが要求される。

木五によるピアソラ

(Wind Quintet)estaciones Portena、Tango Ballet、Etc Ma'alot Quintet (Wind Quintet)estaciones Portena、Tango Ballet、Etc Ma’alot Quintet
販売元:HMVジャパン
HMVジャパンで詳細を確認する

何となくピアソラがやりたくなって衝動的に買ってしまった。しかし、残念ながら、このメンバーによる編曲であり、一般に出版はされていないようだ。ちょっと調べた限りでは、ピアソラの木管五重奏編曲は楽譜が出ていないようだ。
さて、この演奏だが、編曲も悪くないし、演奏も優れていると思う。クラリネットは活躍する(自分で編曲しているからかもしれない)。ただ、ピアソラというともっと定番の曲があったような気もする。自分はすべて初めて聴いた曲だった(自分がピアソラ知らないだけだと思うけど)。

イベール「5つの小品」より

またもや前回演奏会からの抜粋のup。この曲はクラリネットの見せ場はあまりない。他の2人(Ob・Fg)に迷惑がかからないで外に出せるところというと、ここくらいしかない。3楽章の冒頭、一瞬である。実はここは練習では常に急いでいて(2+1が詰まった感じになり、次の6つが転ぶ)、本番だけ少しまともにできた。
前にも書いたが、トリオ・ダンシュ(Ob・Cl・Fgのトリオ)は結構曲が難しい。古い曲があまりない。レパートリーはほとんど20世紀フランスの作曲家で、フランセ・ミヨー・ボザ・トマジ・シュミット・・・良い曲はいろいろあるが、どれを選んでも茨の道だ(ミヨーのパストラールが簡単そうなので試しにやってひどい目にあったことがある)。その中で、このイベールの曲は比較的とっつきやすい。
5つの曲は、急・緩・急・緩・急で、緩の2曲が非常に美しい。急の3曲は軽快でいかにもフランスといった洒落た曲だ。
トリオ・ダンシュは、メジャーな編成である木管五重奏に比べると、出番が多くてきつい。1回通すとぐったりしてしまう。しかし、メンバーに恵まれればスリリングでおもしろい(Hrがないっていうのはバランスの問題がなくなるからいいね)。今回のアンサンブルもとても楽しかった。

category

archive