EXIのOSS実装
XMLを効率的に扱う(圧縮・バイナリ化)ための標準、EXI(Efficient XML Interchange)のLast Call Draftに沿った、オープンソースの実装が公開されました。
9/14にバージョン0.1、11/20にバージョン0.2が発表されています。割と良いペースです。シーメンスのメンバーが開発しています。0.2は性能が改善されていることが強調されています。
テキストで可読性は良いが処理効率はイマイチなXMLを圧縮するというアイディアは、XML出現直後から研究・開発がされてきましたが、ようやく国際標準が決まりそうな状況になりました。リソースの限られた状況(携帯端末等)・大規模な処理等での利用がされると思われます。普及を期待したいところです。
元厚生事務次官への襲撃
さすがに元厚生事務次官へのテロまがいの襲撃にはショックを受けました。ちょっと前に誰かのネット投稿に、今の状況は1930年代に似ていて、226事件等のようなテロの可能性があるが、そのターゲットは政治家ではなく、別の対象になるだろう(マスコミって言ってたかな。記憶が不確かです)、という記述を見つけたのですが、それを探してみたら見つけられませんでした。ターゲットは(元)官僚になりましたね・・・。
最近の厚生労働省へのマスコミからの総攻撃は、裏で政治的な動きがある、とも言われています(新聞には載りませんが・・・。ある筋の内部者から情報がリークされているらしい)。
時代の変わり目であることを感じさせます。
神への挑戦
消えた反物質—素粒子物理が解く宇宙進化の謎 (ブルーバックス) 小林 誠 講談社 このアイテムの詳細を見る |
小林氏がノーベル賞をとってから、急速に売れた本。自分も流行に乗って読んでみました。・・・わからない。これはちょっと難しいです。量子力学の素養がある程度ないとわからないんじゃないかなあ。自分は大学で関数解析の授業もとってたから、分かって当然のはずなのですが・・・。ゲージ理論とか代数の人はやってた記憶がある。でも、自分が比較的新しい(全然最新じゃない)物理を知らないことに驚きました。まず反粒子というものを知らない。例えば、電子に対して、同じ質量を持ち、電荷が反対な、陽電子というのが存在して、電子と衝突すると光子となる・・・(ディラック(懐かしい名前)が1920年代に予言して1930年代に存在が確認された)。そういうものがあるとなると、宇宙がなぜほとんど物質からできていて、反物質からできていないのか、という根本的な疑問に到達する。そうしたことを電子よりももっと根源的な物質であるクォーク(名前くらいは知ってた)から考えて、数学的なモデルを作って、対称性の破れという上記の宇宙の成り立ちにつながる現象を説明した・・・というのが小林氏らの貢献でした(意外と古いのですね)。よくわからなくてもすごいことはわかる。これは、もう神に対する挑戦と思ってしまいます。「もの」に対する認識が根本的に変わってしまう。哲学や宗教やってる人は、こういった事実を知ってないと、やっていけないのではないかと。量子力学くらいまでは結構ポピュラーになってきてると思いますが、まだまだ先があるのですね・・・。
ちなみに図書館で借りたのですが、第三版2008年10月20日発行でした。新しくてびっくり。ノーベル賞受賞後リクエストで入ったんでしょうね。
私のblogを引用しているサイト
完全孤立・見る人限定と思っていた自分のブログですが、多少は他から参照されていることがわかりました。
gen-clarinでぐぐってみたら見つかりました。でも前の2つは検索結果でしたね。普通には見つからないですね・・・。
次回の出番(第611回横響演奏会)
次回の出番は、前プロの1stと第九の1アシです。全乗りなんて数年ぶりかも。
また、Safariでgoo地図が使えるようになりました、パチパチ(chromeはダメでした)。(Safariがよくなったのか、gooがよくなったのかはわからない)。なので、場所も付けてみます。
【横響・第九演奏会】
1.歌劇「ヘンゼルとグレーテル」前奏曲フンパーディンク
2.交響曲第9番 二短調「合唱付き」ベートーヴェン
ソプラノ/高橋さやか
アルト/坂上賀奈子
テノール/君島 広昭
バリトン/今尾 滋
合唱:横響合唱団・横響と第九を歌う会合唱
管弦楽:横浜交響楽団
指揮:甲賀 一宏
日時:平成20年12月14日(日) 開場/午後1時 開演/午後2時
会場:神奈川県民ホール(大ホール)
入場料:1,500円(座席券引換券)
(当日12時より受付にて座席券とお引換えいたします)(全自由席)
前売所:読売プレイガイド・横浜高島屋チケットショップ
主催:横浜交響楽団 共催/横浜市市民活力推進局
後援:財団法人横浜開港150周年協会
第610回横響演奏会終了
遅くなりましたが、演奏会終了の報告。プッチーニのアリアのバスクラリネットとミサ曲のトップでした。バスクラは意外に目立つところがあるのですが、まあまあうまくいってよしよしと思っていたのですが、先日のシェーンベルクでの伊藤さんのバスクラを聴いて、自分とのあまりの違いにショックを受けてしまって、よかったという印象は吹っ飛んでしまいました。ミサ曲はメインで、クラリネットもそこそこ目立つ曲です。これは多少ミスがあったし、音もイマイチだったのですが、1年ぶりにメインのトップを吹き通したというだけで今回は良しとしようかと思っています。
進歩しない人類
バブルの歴史—チューリップ恐慌からインターネット投機へ エドワード チャンセラー 日経BP社 このアイテムの詳細を見る |
この本を読むと、資本主義が始まってから、人類は同じ失敗を繰り返しているんだなというのがよくわかる。市場というものを飼い慣らすことができなくて、チューリップに始まって、CDSに至るまで、商品を替えつつ失敗している。2000年出版ですが、日本のバブル崩壊まで書いてあるので、比較的新しいところまでふれています。ニュートラルな立場で書かれていると思うので、歴史を知る上で結構興味深く読めます。
シェーンベルクの難しさ
に行ってきました。最初に3D映像(メガネをかけてみるやつ)で簡単な紹介を、東京文化会館の音楽監督の大友直人が話します。なかなか興味深い試みです。
さてプログラムですが、
浄夜(弦楽六重奏オリジナル版)
月に憑かれたピエロ(ピエロ・リュネール)
の2曲です。
浄夜はすばらしいアンサンブルで、ロマン的な雰囲気を十分に伝えた演奏でした。特にこの曲で重要な役割を与えられているヴィオラが素晴らしく、弦楽六重奏(Vn・Va・Vc各2)という特殊な編成である必然性を感じさせました。
月に憑かれたピエロは、シェーンベルクの最高傑作で、20世紀の最高傑作の一つという評論家もいたと思います。自分も20世紀に書かれた曲では、春の祭典とこの曲の2曲が最高傑作と思っています。
演奏は技術的にはほぼパーフェクトであったと思います。メンバーそれぞれが仕事を持ち、集まって練習する機会はそう多くはなかったはずなのに、素晴らしかったです。特に自分がやっている楽器であるクラリネットは、この曲の難しさをよく知っているだけに、非常に感銘を受けました。
しかし、演奏後の観客の反応は、浄夜のほうがよかったような気がします。難しいと感じてしまったようです。実際、指揮者も終わりに「やるほうも難しいんだけど、聞く方も難しいよね」というようなことを言っていました。自分も、ちょっと難しさを感じさせてしまう演奏であったように思いました。
それには一つテンポの速さがあったと思います。(私が感じるに)全体にやや早めのテンポでした。それでアンサンブルは破綻せずに素晴らしく進んでいくのですが、もう少し余裕がほしいというか、この曲の持つ「甘さ」にやや欠けていました。
また、生で初めて聞いてみると、生で演奏する上でのこの曲の持つ、本質的な難しさのようなものを感じました。一つには、やや歌が伴奏で埋もれてしまうことです。これは会場の関係もあるかもしれません。また、ピアノがどこか微妙というか違和感を感じます。奥に配置されていたのですが、弦・管とのアンサンブルがもう少し溶け込んでほしいと感じたことと、ピアノがソロとして使われている部分はちょっと遠くに聞こえてしまいます。これは曲に内在する問題で、解決不能であるような気もします(曲によってピアノの位置を変えるわけにもいきませんし)。マイクを通してミキシングしないとバランスが整理されないのではと思いました。
この演奏を聴いて、聴衆が、「やっぱりシェーンベルクは難しいんだね」と感じてしまったら残念であると思います。ピエロ・リュネールは、非常にロマン的で甘い曲であると思います。例えば最後の「おお、なつかしい香りよ」は、しみじみとしていて、懐かしさを感じさせる、泣かせる曲です。その雰囲気は今ひとつ伝わっていないように感じました。
しかし、この曲を生で聴けるのはめったにないことなので、大変良い経験でした。