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ポピュリズムの罪悪:年金問題


「年金改ざん」批判は根拠のない「空中楼閣」
バッシングの元凶は舛添厚労大臣の「人気取りパフォーマンス」


「年金改ざん」を巡る思考停止が厚生年金を崩壊させる
舛添厚労大臣が断罪した「社保庁の組織的関与」の中身

日経ビジネスオンラインで記事ランキングトップになっているから、読んだ人も多いだろう。しかし、これは結構重要な指摘だ。舛添大臣のポピュリズム的な発言・行動というのは、目に余る。最近の例が、派遣労働者問題だろう。彼の発言の通りに派遣労働を規制したら、失業率は上昇し、未来に大きな問題を発生させるだろう。

最近のマスコミもほぼどうしようもないとしかいいようがない。若い人はそんなマスコミを見限っているが、新しい思想勢力をネット上に構築するまでは至っていない。ネットの中でくだを巻いている状態だ。

客観的な事実に基づく、公正な議論が行われることを願ってやまない。

メシアン演奏の豆知識

メシアンの「世の終わりのための四重奏曲」の第三曲「鳥たちの深淵」はクラリネットソロのために書かれています。6分程度の曲ですが、現代っぽい曲としては難易度はそれほど高くないので、素人でも手を出すことができます。自分は一度、会社の仲間との内輪の発表会で披露したことがあります。

武満の名演:フランス人と日本の心

ドビュッシー:クラリネットのための第1狂詩曲
武満 徹:カトレーンII
メシアン:世の終わりのための四重奏曲

ポール・メイエ(クラリネット) / エリック・ル・サージュ(ピアノ) / 矢部達哉(ヴァイオリン) / 向山佳絵子(チェロ)

を聴いてきました。メシアンがメインの演奏会にも関わらず、最も印象に残ったのはカトレーンでした。カトレーンはピーター・ゼルキン+ストルツマンらの四重奏TASHIのためにかかれたものです。TASHIの演奏のみがCD化されていますが、私はあまり感心しませんでした。甘すぎると思いました(演歌調)。自分は武満をあまり好きではないのです。何というか、何でそんなに泣かないといけないのだろうと思ってしまうことが多いのです。

しかし、この演奏は、歌いすぎることなく、非常に抑制された日本の美意識を感じさせるものでした。そして、よく指摘されるドビュッシーの影響よりも、むしろ、ウェーベルンやケージの影響を感じさせるものでした。

これを普段非常にソリスティックな演奏をする、フランス人であるメイエがやってくれたことに大変な意義があると思います。彼は日本の美意識を正しく理解していました。録音がされることが期待されますが、今日日の不況のおりではなかなか難しいかと思います。

次回の出番(第613回横響演奏会)

次回は何とクラリネットの出番が2パートしかなく、私はおやすみ・・・ということになってしまいました。ベト7やりますので、のだめファンは要チェックを・・・(今度はもうちょっと人来るかなあ)。

青少年のための音楽会 第613回定期演奏会
【交響曲の流れ(1)】

1.シンフォニア ニ長調 Wq 183-1C. P. E. バッハ
2.交響曲 第94番 ト長調「驚愕」ハイドン
3.交響曲 第7番 イ長調ベートーヴェン

管弦楽 横浜交響楽団
指揮  甲賀 一宏
日時  平成21年3月15日(日) 開場/午後1時15分 開演/午後2時
会場  青少年センターホール JR・市営地下鉄「桜木町」駅から徒歩10分
入場料 1,000円(全自由席)
前売所 読売プレイガイド・横浜高島屋チケットショップ
主催  横浜交響楽団 共催/横浜市市民活力推進局

第612回横響演奏会終了

報告が遅れましたが、演奏会終了しました(2/8)。今回はプログラムが地味だったこともあり、新春コンサートとしては横響史上最低の入場者数だったそうです(300人程度)。でも、そんな中で来ていただいた皆様には、大変ありがとうございました。

自分の出番は、ハイドンの「ロンドン」シンフォニーの1st(とアンコールの威風堂々の2nd)でしたが、このころのクラリネットの扱いとは、木管というよりは、金管の補強みたいな感じで、ほとんど目立つ箇所はないのでした。

威風堂々はバスクラをやるのが面倒だったんでカットしちゃったんですが(自分はロンドンの後にバスクラが入るようなアンコールをやる神経が信じられなかった・・・あ、いや・・・ごめんなさい・・・。私が悪いんです・・・。コントラファゴットもカットだったし・・・)、それを他の低音楽器が埋めてくれるわけでもなく・・・、中間部の直前では音がなくなりそうになり、少しだけやらなかったことを後悔しました。同じ団員とはいえ、信用するものではないものです。今後は面倒でもちゃんとやるようにしましょう・・・。

長銀破綻をもう一度見直す

セイビング・ザ・サン—リップルウッドと新生銀行の誕生

ジリアン テット

日本経済新聞社


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とてもおもしろく一気に読んでしまいました。著者は日本経済について非常に良く理解していて、今の目から見ても古くありません。長銀を通じてバブルの発生と崩壊を、そして、新生銀行を通じて金融庁の姿勢や外資参入の顛末を、非常に生々しく描いています。200を超えるインタビューに基づいており、スタンスも中立的であり説得力があると思います。

果たして、このころ(2002年ごろ)に比べて、日本の金融・経済は進歩したのか???。相変わらず問題を先送りする体質は変わっていないのではないか・・・。

amazonによると、現在、新刊は手に入らないようです(自分は図書館から借りた)が、中古は安く手に入るようです。

メシアン四重奏の驚くべき裏側

時の終わりへ メシアンカルテットの物語 (叢書・20世紀の芸術と文学)

レベッカ リシン

アルファベータ


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を読んでみました。この本はメシアンの「世の終わりのための四重奏曲」(この本の中では原語の意味を考慮し「時の終わりへの四重奏曲」と訳されている)の書かれた経緯、初演者のその後の辿った運命、等をまとめた本です。この曲が、第二次大戦中、メシアンが従軍中(フランス軍)にナチスに捕虜とされ、捕虜収容所で偶然あった音楽家3人(ヴァイオリン・チェロ・クラリネット)と自分(ピアノ)のために書かれ、捕虜収容所の中で初演された・・・というのはかなり有名な話(伝説に近い)です。しかし、メシアン以外の3人が誰で、どういう人間で、その後どういう生涯を辿ったかは、これまであまり明らかにされてはいませんでした。この本は、それを生存者のインタビューを通じて明らかにした画期的なものです。この本で初めて明らかになった事実が結構あります。専門書っぽさはなく、文章は平易で読みやすいです。生存者のインタビューは1994年前後になるのですが、実はこの時期がぎりぎりのタイミングで、その当時を語れる人はその後まもなく亡くなっています。まさに貴重な記録と言えるでしょう。

そのメシアン以外の初演メンバーは、

ヴァイオリン:ジャン・ル・ブーレール
チェロ:エチエンヌ・パスキエ
クラリネット:アンリ・アコカ

の3人です。まず、世に伝わる話と違うのは、この4人のうち、パスキエ・アコカ・メシアンは捕虜収容所で出会ったのではなく、捕虜になる前にフランスのベルダンというところの軍楽隊で従軍中にあっていて、第三曲「鳥たちの深淵」は、その頃に最初に書かれたものであることです(学者の説では、メシアンのインタビューから第五曲「間奏曲」が最初とされていた。→他にもメシアンが結構適当なことを言っていたことがいくつかこの本で明らかにされている)。捕虜収容所でブーレールと合流し、ドイツ軍は音楽家をやや優遇して扱ったので、メシアンは作曲を行うことができたそうです。

メシアンとパスキエは、著名な芸術家であったため、この曲の初演後、幸運にもパリに戻されることになります(パスキエはメシアンといたのはラッキーだったと語っている)。アコカとブーレールは収容所に残りますが、アコカは脱出を試みて成功します。彼はユダヤ人であったために苦労しますが生き延び、フランスのオケに戻ることができました。ブーレールは最も長く収容所にいた(7年)ために、ヴァイオリンができなくなりますが、その後、俳優に転身し活躍することになります。

・・・等といった興味深い事実が明らかにされています。

また、この録音はメシアン監修の由緒正しきものであることがわかりました。

日本の農地はなくなる

日本の食と農 危機の本質 (シリーズ 日本の〈現代〉)

神門 善久

NTT出版


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本ブログのテーマをどんどん逸脱していきますが、印象に残ったのでレビューを・・・。

現在、農家がリッチになり、不動産屋さん的になっているというのは、何となく、マスコミ等を通じて感じていたことです。この本では、その現実と裏にある政治的な問題の本質を突くものです。

現代の農業が非効率な零細農家からなり、効率的な大規模な農家に移行していかない最大の原因は、農家が農地を転用売却することによるキャピタルゲインを期待していることにある。土地を農地として保有し、国の助成を受けて、農地的価値をあげて(=道路等も整備されるので、商業的価値もあがる。また、税負担も削減される)、そして農地以外の用途に売り切る、というのが零細農家の狙いである。一番、損をしているのは、真面目に農業のことを考えて、効率的な大規模農業をやろうとしている先進的農家である。この転売の仕組みを保護するために、JA・農水省・財界・マスコミ等がつるんで問題を先送りしている。このままでは日本の農地はなくなるだろう。しかし、この問題の本質には、市民が土地利用の問題に関して人(行政)任せにしている無責任主義がある。根本的解決には、日本人にとって非常に苦手な市民の協議による都市・土地計画を行うことが必要である。・・・ざっとまとめるとこういうような主張です。

ちょっと私の説明ではうまく伝わらないと思いますが、衝撃的な本です。300ページくらいですが、あっというまに読み終わりました。問題は深刻ですが、問題の質は極めて複雑で、難しいと感じました。また、マスコミによる安易な行政批判へのコントロールが指摘されています。その本質を見破るのは、(我々のような)普通の人には結構難しいと思いました。

こういう観点で書かれた本は少ないそうです。意見が政治的圧力でつぶされるからです。
是非、多くの人に読んでいただいて、問題意識を共有し、日本の農業を救いたいと感じました。

アメリカの思想を知る

アメリカの宗教右派 (中公新書ラクレ)

飯山 雅史

中央公論新社


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追跡・アメリカの思想家たち (新潮選書)

会田 弘継

新潮社


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今、一番気になる国といえば、アメリカ・・・ではないでしょうか。金融危機の震源地・大統領の交代・保守勢力の弱体化・・・。

アメリカを知る上で参考になる本を2冊ほど読んでみました。両者ともに、「リベラル」・「保守」といった、日本とのアナロジーのようなナイーブな理解ではとらえられない言葉について、詳しく解説されています。前者は、右派の歴史(建国当初の状況から現代のネオコンまで)的な経緯を知ることができます。後者は、ちょっと多くの思想家を取り上げているので多少散漫な感じはするのですが、アメリカ的な保守思想からリバタリアンまで知ることができます。

自分はアメリカをほとんど知らなかった(もっと世俗的な国だと思っていた)ので、参考になりました。おもしろい2冊です。

大前研一の楽観的な見解

大前研一なんて・・・という方もいらっしゃると思いますが、結構、参考になる情報もあったりするので、自分はとりあえずSAFETY JAPAN(BPnet)の記事をチェックしてます。

「産業突然死」の時代の人生論
第158回 金融大地震に世界がやるべきこと、日本ができること(1)
経営コンサルタント 大前 研一氏
(もしかして会員登録が必要かもしれません)

そこでわたしは提案したい。世界経済において日本がリーダーシップを発揮してはどうだろうか、と。日本の経済がこれほどまでよいのだから、世界へ出て行って助けてやる。日本はまだそういうことさえできる力を持っている。

日本の場合、ファンダメンタルは悪くはない。

へ・・・。日本を支えていた2大輸出産業が、電機産業に続いて、自動車産業も壊滅し、日本の産業は総倒れになろうとしているんじゃなかったっけ・・・。

ユーロは現在、非常に安い。理由は空売りである。ヘッジファンドが痛手を被っていてユーロぐらいしかもうかるものがないということで空売りを行っている。

うーん。ユーロって今まで過大評価されてて適正な価格に戻っているのではないのかな・・・。

日本発の金融危機が広がるのを防げたのは、国による資金注入よりも、国民が低金利を甘受して捻出し負担した資金によるところが大きい。他国ではあり得ないような状況である。

低金利の負担は事実だけど、金融危機脱出は遅れに遅れた不良債権処理を何とかやりとげたからではないのかな・・・。

この記事自体のテーマはちょっと違うところにあるので、揚げ足取り感もありますが、何か日本に対する危機感がもう一つ不足してないかな。自分は経済に関しては完全にトーシロなので、何とも言えないのですが・・・。

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