昨日の名曲探偵アマデウス(衛星)で取り上げられた曲は、武満徹のノヴェンバー・ステップでした。名曲探偵アマデウスは、クラシックの名曲を取り上げ、名曲探偵天出臼夫がその謎を解き明かすというものです。ややコミカルな仕立てにはなっているものの、その内容は意外と本格的で、音楽をある程度知っている人間にとってもそれなりに勉強になることがあります。
これまでも、何度か優れた内容の回がありましたが、今回の武満もとてもよかったと思います。ノヴェンバー・ステップスは、彼の最も有名な曲だと思いますが、やや忘れられたのではないかと感じていました。一つの理由は、初演で尺八と琵琶のソロを担当し、その後何度も演奏することになった二人(横山勝也・鶴田錦史)に曲が大きく依存していたことと言われていました。しかし、ちゃんと曲は引き継がれていたのですね・・・。
取り上げられた技術としては、トーン・クラスター・ずれの利用・図形楽譜・邦楽器の音の特徴(ノイズ)・特殊奏法・タイトルに込められた思い、等等・・・。最初、メロディーやハーモニーのない音楽のように紹介されたので、大丈夫か?と思いましたが、全体としては充実した内容でした。
印象に残った単語としては「keep silence」。音楽の指示としてはあまり見ないものだと思いました(かっこよすぎです)。
演奏もよかったと思います。感動しました。
地上波で再放送されるかもしれません。興味のある方はどうぞ。