アラブ、祈りとしての文学 岡 真理 みすず書房 このアイテムの詳細を見る |
アラブ文学の紹介書だと思って、最初を読むとちょっと面食らう。最初はパレスチナ問題とパレスチナ文学の話が結構続く。アラブ文学の中で、パレスチナ文学って狭すぎない?と思ってしまう。また、パレスチナ問題が深刻なのはわかるけれども、かなり難しい問題であって、イスラエルを非難するだけで解決するとは思えない。しかし、我慢して読んでいくと、エジプトとかいろいろと他の国も出てくる。著者はフェミニズムを専門にしているようなので、それにちょっと偏っているような気もする。いろいろと興味深い事実もあるが、包括的で分析的なアラブ文学への入門にはあまりなっていないように思う。