アメリカのデモクラシー (第1巻上) (岩波文庫) トクヴィル 岩波書店 このアイテムの詳細を見る |
「アメリカのデモクラシー」は、文庫で第1巻上下、第2巻上下の4冊でなっている。その最初の第1巻上を読んだ。地方自治に関する賞賛はあるものの、デモクラシーというよりは主に政治体制に関する記述になっている。アメリカの立法・行政・司法の仕組みについて概観してあるからアメリカ入門としても読むことができる。文章もそれほど難しくはない。19世紀だから現代とは違っているだろうが、基本的な所は(多分)変化ないと思う。書かれた時代は、合衆国憲法からは40年程度経っているが、南北戦争の前である。アメリカの制度設計が、アメリカという前例のない特殊な状況で、ある意味運良く機能したことが示されている。賞賛だけではなく、批判的な目も向けており、古典としての価値が感じられる。また、著者の母国フランスとの対比が興味深い。