黛敏郎:涅槃交響曲
アーティスト:岩城宏之,東京混声合唱団 |
涅槃交響曲は黛の代表作ということは知っていたが、聴くのは初めてだ。この曲は鐘の音をオーケストラでシミュレートするという発想で作られているのだそうだ(もっと宗教的かと思ったらそうでもない)。歌(というかお経というか)はちょっとどうかなと思うが、このモダンな音響は嫌いじゃない。演奏は大変優秀だと思う。録音も極めてよい。作曲者の死(1997年)の直前(1995年)に、作曲者の監修によるこのような優れた演奏が残ったのは幸運と言えよう。歴史に残る名作かは多少疑問だが、私にとっては邦人作曲家だったら、武満よりは、黛とか三善晃などのほうがずっとしっくりくるのだ。