幕末史 半藤 一利 新潮社 このアイテムの詳細を見る |
最近のベストセラーだ。週刊ブックレビューで情報を得たので読んでみた。わかりやすい口調で語られているけれども、基本二次・三次情報なので、ちょっとな〜という感じもする。著者は薩長中心の史観を見直したいと語って書いている。その意図はまあまあ実現しているとは思うが、東北出身の自分からしてみれば、それほど新しいとは思わない。明治維新の「偉人」というのは、よく尊敬の対象になるけれども、自分はあまり尊敬する気にはなれない。基本、暴力革命だと思うからだ。筋を通して共和制を主張した東北は、戊辰戦争で粛正され、主流から外される。下北半島に移住させられるという、極めて厳しい処分を受けた会津藩の心中を思うと胸が痛む。理不尽だ。その感覚は変わらなかったから、今後も維新を追求しようという気にはあまりなれない。