CNET Japan Blog – 梅田望夫・英語で読むITトレンド:インターネットの普及がもたらした学習の高速道路と大渋滞
これはIT(本文中では将棋の例)の話ですが、同じような話が楽器の世界でも起こっているとずっと気になってきました。例えば、仕掛けに関する情報はインターネットで紹介から個人の感想までいろいろ手に入りますし、2chで聞いてみれば、すごい詳しい人からすぐにフォローが入ります。実際、仕掛けに関しては、プロ・アマの差はほとんどなくなってきていますし、むしろ別に仕事を持っていて、収入的に有利なアマチュアは豪華な楽器等を入手しやすいという現実もあります。また、インターネット以前にもCDの普及も音楽に対する影響は絶大で、音色の向上と均質化には相当に貢献していると考えられます。音色の向上には、良い音を聞くのが不可欠ですが、CDのおかげで比較的良い音で、世界中のクラリネット奏者の音を確認することができます。また、CDの出版コストの低下は古い録音の流通も促しているので、LP時代よりもさらに新旧の情報が手に入りやすくなっています(LP時代は昔の録音は手に入れやすくはなかった。)。それにより、クラリネットにおけるローカリティ・国民性が破壊されているし、皆が似通った音になってきています。プロ・アマ含めてあきらかに(上記記事の将棋と同じように)実力の底上げがなされています。例えば、マウスピースにしても昔(15年程度前)は、(田舎だと)B40なんか使っていると周りに使っている人が少なくて、何となく暗めで目立ったりとかしましたが、今は皆使っていて、似たような音出してるし。音楽の場合は、ITとは違って、センスや才能がよりはっきり出るので、「その上での差は何?」という問いには明確な答えがあるのだろうけど、知識や経験でアドバンテージがもてないので自分のような中年には厳しくなってきます・・・・。